勝浦漁港付近で1897(明治30)年にマグロをはじめとする水産物の卸・加工業として創業した㈱ヤマサ𦚰口水産。四代目・𦚰口光太郎さんの娘で、オンラインショップやSNSなどを通じて自社製品や勝浦マグロの魅力を全国に伝えている。

日本一の生マグロ水揚げ量を誇る那智勝浦町。古くはサンマ漁が盛んだったが、大正初期からカツオやマグロ漁が盛んになり、昭和初期にはマグロ漁が主体になっていった。
勝浦では、一本の幹縄(みきなわ)に針のついた枝縄(えだなわ)を一定間隔で取り付けた漁具を使う延縄(はえなわ)漁で獲れたマグロを水揚げしており、成魚を選択的に漁獲する持続可能な漁法ともいえる。
また、紀伊山地から流れる栄養分豊富な水が黒潮とぶつかる近海は「マグロが水を飲みに来る」と言われる好漁場でもあることから、勝浦漁港にはビンチョウマグロ、クロマグロ、メバチマグロ、キハダマグロなどさまざまな種類の近海産マグロが多く水揚げされる。




同社は「マグロの町」として知られる勝浦で120年にわたり卸・加工業を営み、マグロだけでなく周囲の環境にも配慮した持続可能な漁業を目指す勝浦のマグロを全国に届けてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、マグロ市場も大きな打撃を受けたという。
そこで、IT関連会社に勤めていたまるまるみづほさんがその経験を生かしオンラインショップやSNSを開設。これまで訴求できていなかった全国の個人に向けて自社商品をPRするだけでなく、勝浦や熊野の魅力を広く伝えている。
現在も大阪で暮らし、勝浦と行き来をしながら情報発信などを行っている。新型コロナであらゆる事業が影響を受けるなか、これまでターゲットとしてこなかった個人客へ商品を届けたり、勝浦とマグロの歴史や町の魅力なども伝えている。将来は自らが行うマグロの解体などを動画配信することなども目指しているという。
「勝浦のマグロだけでなく、まだまだ知られていない熊野の魅力などを発信し、全国や海外からも熊野を訪れたいと思っていただけるようなサイトをつくっていきたい」。




オンラインストアは http://www.nanki-maguro.com/
インスタグラムは https://www.instagram.com/wakiguchi_maguronet/
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