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幻の花・キイジョウロウホトトギスを愛でる「幻のカフェ」

 和歌山の秋を象徴する幻の花・キイジョウロウホトトギスを鑑賞できる「幻のカフェ」Cafe Phonoが、10月1日㈫から15日㈫までの期間限定ですさみ町佐本地区にオープンする。

 キイジョウロウホトトギスは、山中の湿った崖に生え茎を垂らし、10月上旬に美しい黄色の花を約5日間だけ咲かせる紀伊半島南部の固有種。「紀伊続風土記」にも登場するなど古くから鑑賞価値が高く、自生地では年々減少し、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されている希少な種だ。

 すさみ町佐本地区では、同種の保全や商品化などを目的に「紀伊ジョウロウホトトギス生産組合」を組織し、栽培とともに種苗や切り花の出荷などに取り組んできた。

 組合の一員として佐本地区を「紀伊ジョウロウの里」へと変えた仕掛人の1人である櫻井明さん(71)は、愛知県名古屋市でレコード店を経営してきたが、2000年に妻と2人で移住。アメリカなどから仕入れた古いレコードを販売するため全国各地を飛び回ったきたが、温暖で環境の良い同所に惹かれ、終の棲家に決めたという。

名古屋から移住した櫻井明さん

 以前から関心が高かったという大自然の中で野菜などの自家栽培をしながら、名古屋から持ってきた約3000枚の自慢のレコードに囲まれた暮らしのなかで「幻の花」の存在を知る。

 「私たちが越してきたころには、佐本にはキイジョウロウホトトギスはあまりありませんでした。美しくはかないこの花を守りたい、また地域おこしにもなると考え、同じIターンの仲間とともに組合を作り、増やしていく試みを始めたんです」。

 山中の湿った崖に自生することから、石垣での栽培を始めたが、日光が当たりすぎてはいけない、風が吹き抜ける場所でないといけないなど多くの課題に直面し、メンバーの高齢化もあり次第に栽培を続ける人は減っていったという。 

店内からキイジョウロウホトトギスを鑑賞できる Cafe Phono

 「今では同好会程度の人数と規模になってしまいましたが、体が動く限り続けていきたい。花が咲く時期に合わせて毎年カフェをオープンしています。ここにしかない、この時期でないと見られない貴重な体験を楽しんでいただきたい」。 

 Cafe Phonoでは、店内からキイジョウロウホトトギスを鑑賞できるほか、敷地内で栽培されているものや、四季折々の野菜や植物、自然と調和した農作物の畑なども鑑賞できる。また、櫻井さん自慢のレコードが響き、2匹の愛犬と猫が出迎えてくれる。メニューは、無農薬の自家焙煎コーヒーや、畑で獲れた旬の野菜などを使った料理を提供している。敷地内にある山栗の大木からなる栗のパイがオススメだとか。

 10月1日㈫から15日㈫までの10時から17時。西牟婁郡すさみ町佐本深谷117。問い合わせは☎0739・57・0404。

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