高野町

紅葉の高野山 外国人観光客 年間10万人時代へ! オンリーワンの街づくり

 一足早く紅葉シーズンを迎え、県内屈指の観光地として知られる高野山。独自の歴史文化から多くの外国人観光客を受け入れている高野山の現状と、取り組みについて聞いた。

 816年、弘法大師空海が真言密教の根本道場として開創。1200年の歴史を持つ日本仏教の聖地である高野山。古くから多くの「参拝観光客」を受け入れてきたが、外国人観光客が激増するきっかけとなったのは2004年の世界遺産登録だ。同年の日帰り・宿泊を含む総入込客数が約145万7000人、うち外国人が約1万人だったのに対し、2018年は総入込客数が約147万8000人、うち外国人が約9万3000人と激増している。

 「高野山開創1200年記念大法会」が執り行われた2015年は、総入込客数約199万1000人、うち宿泊客数約44万人と、ともに大幅に増えたが、世界遺産登録以来、総入込客数はやや増加傾向にあるものの、宿泊客数は減少傾向にある。

 そんななかでも外国人観光客(宿泊者)は顕著に増加しており、2018年では宿泊客数全体の40%を占めるまでになった。

 県内の他の観光地や全国的に外国人観光客といえば、中国人をはじめとしたアジア圏の人々が多いが、高野山ではヨーロッパからの個人客が大半で、なかでもフランスからが最も多く2018年では約2万人でヨーロッパ全体の36・5%を占めた。

 ヨーロッパからの観光客が激増した背景には、多くの人がキリスト教の信者で、宗教の違いはあれ他国の文化に関心を持つ傾向があり、いずれにも「巡礼の文化」が根付いていることがある。また、京都・奈良・大阪などからのアクセスも良く、外国人にとって「日本らしい」と感じられる街であることも挙げられる。

 他とは一線を画す特長を持つことで早くから外国人観光客の誘致に成功してきた高野山。産官民が一体となり、インターネット(Wi‐Fi)や公衆トイレをはじめ、観光案内板の多言語表記、電線の地中化、寺院を中心とした「高野山らしい景観」づくりなど、さまざまなインフラ整備にもきめ細かく取り組んできた。

 京都など他の観光地との連携にも力を注いでおり、新たなアクセス手段として、2019年9月20日から京都と高野山を毎日結ぶ直通高速バス路線(1日2便・11月24日まで運行)を新規開設した。

 高野町観光振興課の茶原敏輝課長は「高野山では多くの外国人を受け入れてきましたが、外国人に迎合しすぎず、ありのままの高野山の姿を見ていただくことを徹底してきました。メディアへの露出や海外での宣伝にも力は入れていますが、それよりも実際にお越しいただいた方に満足していただくことを第一に、行政、事業者、宿坊など街が一体となって取り組んでいます。その中でいただいたご意見をフィードバックし、よりよい高野山を創っていきたい」。

 現在、高野山では交通インフラの発達、宿泊の多様化や嗜好の変化、宗教離れなどにより、日本人の宿泊客が減少。高野山と空海を題材にしたNHK大河ドラマの誘致を進めるなど、日本人宿泊客を取り戻す取り組みも行っている。

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