有田川町

和歌山の花火を支える㈲紀州煙火の多忙な夏

 いよいよ本番を迎える夏の風物詩といえば花火。今年も県内各地で多くの花火大会が開催されるが、県内唯一の花火製造会社としてその舞台裏を支えている有田川町の㈲紀州煙火の「多忙な夏」を紹介する。

 昭和33年に煙火工場として県の許可を受け、平成元年に法人化。県内唯一である花火の製造とともに打ち上げも行い、花火大会を総合的にプロデュース。現在は三代目となる藪田さゆり社長(55)を先頭に、県内では御坊市花火大会や有田市の紀文まつりなど6割以上の花火大会、県外でも三重県熊野市の熊野大花火大会など計約30ヵ所もの花火大会を手掛けている。
 同社へ取材で訪ねた6月上旬は、翌月から始まるシーズンに向けて行政機関らと大会内容の打ち合わせを行い、プログラムや許可書類などの作成に追われていた。

花火の製造工程


 「一つひとつの花火大会が、見る人にとっては大切な夏の思い出になります。花火の製造からプログラム、現場での打ち上げの行程まで、すべてが当日うまくいくように準備をしていきます」と藪田社長。
 「花火大会は不況や行政合併の影響で、なくなってしまったり規模が縮小されたり厳しい状況が続いていますが、花火の質の向上や音楽に合わせた花火の演出など、時代に合わせて進化し続けています」。
 また同社では、地域の夏祭りや介護施設などの行事のような小規模なイベントに、一般向けの花火の販売や、予算に応じた演出を花火職人がサポートしてくれるプランなども提供している。
 「大規模な花火大会だけでなく、より身近な存在になっていけるように取り組んでいます。これからも県内唯一の花火製造会社として、和歌山に根差した仕事を続けていければ何より嬉しい」と展望している。

同社が手がけた花火のようす

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